借地権付建物とは?

query_builder 2023/09/14 査定 費用

京都市内で不動産営業をしていますと、近隣の物件と比べ明らかに安い物件が売りに出されている事があります。

長年不動産に携わっておりますとこういった物件を見た時、まず頭に浮かぶのが借地権付き建物なのでは?という事です。

借地権付建物とは建物の所有者が土地を借りている建物の事をいいます。

今回は借地権付建物の特徴やメリット・デメリット、売却時の注意点等について解説していきたいと思います。

借地権付建物とはどのようなものなのか?

借地権付建物とは、建物の所有者が土地を借りている建物の事をいいます。

建物の所有者と土地の所有者は別々であり、建物所有者は土地所有者に対して一定の借地料を支払っている状態です。

借地権付建物は、土地所有者との間で賃貸借契約が結ばれており、建物所有者はその契約期間内で土地を使用することができます。

借地権付き建物の場合、土地は借りている状態であるため、土地所有者は土地に対して一定の権利や制約を持っています。

一般的に借地権付建物は、土地所有者と建物所有者の双方の同意が必要な場合が多く、土地所有者が土地の利用条件を設定することができます。


借地権には一般的に普通借地権と定期借地権があります。


普通借地権は更新をすることができますが、定期借地権は期間が満了しますと土地を所有者に返還しなければなりません。


ちなみに京都市内の借地はお寺が所有している事が多く、某学校の敷地も借地です。


借地権付建物を売却や購入検討をされる場合、一般的な所有権売買とは異なり注意点が多くありますので専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討しましょう。

借地権付き建物のメリットとデメリット

借地権付建物は、建物の所有者が土地を借りている建物の事をいいます。


土地の所有者と建物の所有者が違う為、それぞれ売却をする事ができますが借地契約により一定の制約があります。こういった事情により、借地権付建物には以下のメリット・デメリットが存在します。

メリット:

1. 低価格で入手可能: 借地権付き建物は土地の所有権を持たないため、通常の土地と比べて低価格で購入することができます。これは手頃な価格で物件を購入したい人にとって魅力的です。


2. 京都市内に限っていいますと、借地権付建物は市内にも多数存在します。地価が高く利便性の高い物件を一般市場価格よりも安くで手に入れる事ができます。


3. 土地を所有していない為、固定資産税の負担が通常所有と比べ低く抑えることができます。


デメリット:

1. 地代がかかる:借地契約に基づき、毎月賃料が発生します。

2. 借地期間が存在する:借地契約には、①旧借地借家法による借地契約 ②普通借地契約 ③定期借地契約の3つが存在します。


  ①の場合、期間は建物が木造で20年・鉄骨/RCで30年 ②の場合、期間は30年以上 ③の場合、期間は50年以上となります。


  ①②の期間満了により合意退去となった場合、一般的には建物は解体し更地の状態で土地所有者に返還する必要があります。ただし、契約の終了には正当な自由が必要となりますので期間が満了した時に必ずしも借地権が消滅するというものではありません。また、地主に対して建物の買取請求をすることができます。


  ③の場合、期間が確定しておりますので期間満了時には必ず解体し更地として地主に返還する必要があります。(地主に対して建物買取請求をすることはできません。)*交渉によっては再契約が可能となる場合もありますが、その場合はその時点で賃料・条件を再度設定する必要があります。

3. 土地所有者への承諾が必要:建物の新築工事や改修工事に関して土地所有者へ承諾が必要となります。借地契約の内容によってはその際に承諾料が必要であると明記されているケースが多いです。また、借地権付建物を第三者に譲渡する場合も土地所有者の承諾が必要となり、借地契約の内容によってはその際に承諾料を支払う必要があります。


4. 銀行融資のハードルが高い:一般の土地建物売買と違い、土地の所有者が別となりますので住宅ローン等の融資を取り扱っている金融機関がほぼありません。


以上が借地権付建物のメリット・デメリットとなります。


借地権付建物を売却・購入する際の注意点

借地権付き建物を購入する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。第一に、借地権と所有権の違いを理解しておくことが重要です。借地権とは、土地を借り受けて建物を建てる権利のことであり、一定期間にわたって土地を利用することができます。一方、所有権とは土地自体を所有する権利のことであり、土地と建物を含めてすべての権利を持つことができます。

次に、借地権付き建物の使用料や借地権の期間について詳しく調べることが大切です。借地権付き建物を購入する際には、土地を借りるために一定の使用料を支払う必要があります。また、借地権の期間も重要な要素です。一般的に、借地権の期間は30年や50年などが設定されていますが、長期の借地権であるほど土地利用の安定性が高まります。

また、借地権付き建物の更新についても注意が必要です。借地権の期間が終了すると、建物は原則として地主に返還されます。ただし、借地権を更新することで、一定期間の延長が可能です。借地権付き建物を購入する際には、更新に関する契約条件や手続きについても確認しておくことが重要です。

さらに、借地権付き建物の価値や将来性についても考慮する必要があります。借地権付き建物は、所有権がないため、将来的な価値の変動にも影響を受けます。そのため、周辺環境や土地の資産価値、将来の開発計画などを調査し、借地権付き建物の価値や将来性をしっかりと判断することが重要です。

最後に、借地権付き建物を購入する場合には、専門家の意見を聞くこともおすすめです。不動産業者や弁護士、行政書士などの専門家に相談することで、より安心して購入することができます。以上の注意点を頭に入れ、慎重な判断を行いましょう。

借地権付き建物の売却手続きの方法

借地権付き建物の売却手続きの方法について、以下のような流れで進めることが一般的です。


まずは借地権付建物の査定をすることになりますが、土地の評価額に関しては都道府県が毎年発表しています路線価を参考にします。

路線価に借地権割合というものが設定されております。土地の権利を100%としその中の借地権の割合が何%であるかを確認します。

路線価図の黄色マーク部分をみますと540Cとあります。540は路線価格で540,000円/㎡という意味です。その横のCが借地権割合で、上部青マークを確認しますと70%となります。

この箇所の場合、借地権割合が70%という事なので路線価ベースで評価しますと540,000円/㎡×70%=378,000円/㎡ということになります。

建物評価は一般的な査定方法をとられて良いと思います。


次に売却する土地の所有者に売却する旨を通知しましょう。その際に売却する際の土地所有者に支払う承諾料やその他の借地条件の再確認をしておく必要があります。

売却手続きを進めるために、まずは不動産会社に売却の相談をしましょう。不動産会社は借地権付き建物の売却に関する専門知識を持っており、売却手続きをサポートしてくれます。また、売却のために必要な書類の作成や手続きも不動産会社が行ってくれます。

売却価格や売却条件などに合意が得られたら、売買契約書を作成しましょう。売買契約書には具体的な売却条件や引渡し日などが明記されますので、両者が納得した内容になるよう注意しましょう。

売買契約書の作成が完了したら、最終的な引渡し手続きを行います。引渡し時には売却価格の支払いや不動産登記の手続きなどが必要です。

以上が借地権付き建物の売却手続きの一般的な流れです。売却には専門的な知識と手続きが必要ですので、不動産会社のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

最後に

借地権の評価に関してですが、路線価表に記載の借地権割合を見ますと90%~30%で設定をされています。

土地の評価が高い・商業的価値が高いなどといったエリアは借地権割合が高くなり、低くなるほど資産価値として低いという考え方ができます。


売却に際して、土地所有者の所有権を買い取るという交渉も方法の一つであると思います。所有権を取得することができれば借地権付建物ではなく、通常の土地・建物

の売買が可能となりますのでそういった方面でのアプローチも検討されてはいかがでしょうか?


株式会社光徳は借地権付建物の売買に関しても取り扱っております。

ぜひ一度お問合せいただけましたらと思います。

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電話番号:075-200-3893

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