一週間程前、ご相談の連絡をいただきました。
すぐにお会いする事に。待ち合わせ場所に赴きますとご年配のご夫婦がいらっしゃいました。
お話をお伺いしますと、相談内容は以下のとおりでした。
➀地方で新築物件の売買契約を締結したが事情により契約解除することにした。
②先方の業者(売主が不動産会社)に連絡を入れたところ、違約解除になる為、売買代金の20%相当額を違約金として支払えば解除に応じるとの回答。
③法律でそのようになっているのでと話をされ、そのようなものだと思い、違約解除ということで納得して解除する為の書類を準備していた。
④一度はそれで納得したが、やはり腑に落ちないので弊社に相談
売買契約締結後、決済迄の間に契約解除となる事は残念ながらあります。
売買契約書には、こういった解除の場合にどのように処理をするかを明記しております。
通常は白紙条件に該当しない場合は、手付金の放棄もしくは違約金の支払いにより解除の処理をします。
本契約書にも解除の場合の処理は書いてありましたが、今回の場合は違約解除に相当するのかどうかが焦点になりました。
一般的な認識としては、手付金の解除期日を設け、期日が過ぎた後の解除は違約解除という形です。
ここでポイントが一つあります。
売主が不動産会社で買主が一般のお客様の場合、手付解除期日を設けてはいけないという法律があります。
その為、手付解除できる期間は「契約の相手方が履行に着手するまで」ということになっています。
契約の履行に着手の解釈は難しいところでありますが、当方が説明する際は、決済日の前日までという形で話をします。
今回の相手方の不動産会社は、契約の履行に着手しているから違約であるという説明を相談者にしたようです。
今回のご相談では、私の認識としては手付金の放棄による解除が妥当であると思いました。
違約解除を求めるのは少々荒っぽいと考えます。
特に、売主はプロ、買主は素人の方でさらにご年配のご夫婦でした。
契約事に関しましては、相談者は当然ながら知識がありません。
一方で売主はプロである為、相談者のそういった知識の無さや気持ちに付け込んでいたように思います。
私は、売主側は宅建業法違反を犯している可能性がある事と、違約解除とする事が有効であるとは言い難いという事を相談者にお話しし、弁護士を紹介し後の事は任せるようにアドバイスをいたしました。
先日相談者の方からご連絡を頂き、無事手付金の放棄での解除でまとまったという事をお聞きしました。
微力ながら相談者のお力になれてよかったと感じております。
不動産の売買契約は一般の方は一生に数度あるかどうかというものです。
売買契約書は万が一当事者同士がもめた場合にどのように処理するかを予め決めている書類です。
内容は法律の専門用語が多く、一回で全てを理解する事が難しいと思います。
親切な業者の営業の方でしたら丁寧に説明されると思いますが、中にはそこまで説明をされない場合も多いです。
皆さんも売買契約の際にはその内容に十分注意しましょう。
株式会社光徳
住所:京都府京都市中京区聚楽廻東町5番地
電話番号:075-200-3893
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